スイス
スイス兵の強さと勇敢さは古代からよく知られていた。カエサルの8年間に及ぶガリア遠征はヘルウェティ族が最初の要因であった。ヘルウェティ族とはスイスの先住民である。 ヘルウェティ族も他のガリー人にくらべれば武勇がすぐれ,毎日のようにゲルマニー人…
スイスの州はカントンとよばれる。カントンごとに憲法・三権(立法・行政・司法)の府をもっている連邦国家である。防衛・外交上の権限は連邦政府にあるということを除けば,共和政の枠内で国家形態を自ら自由に決定することができる主権国家並みである。イニ…
ルツェルンはチューリッヒから鉄道で1時間ほどのところにある。日帰りで行ける。ルツェルンにはルツェルン湖がある。このルツェルン湖の周辺から現在のスイスが始まった。スイス発祥の地といってよい。14世紀,ルツェルン湖を取り巻く,ウーリ,シュヴィーツ…
ホルバイン追記 イエスを神性から解き放ち,「神は存在するか」を問いかけた日本の作家もいる。遠藤周作である。「白痴」のホルバインを見に来て,遠藤の『沈黙』を思い出した。物語のクライマックス,日本に潜伏していたポルトガル人司祭ロドリゴの絵踏みの…
チューリッヒから列車で1時間半のところにバーゼルという都市がある。現在はここバーゼルでフランス・ドイツ・スイスの三国が接している。地図によると三国国境は中央駅から北に約5㎞,少し離れたところにある。途中寄り道しながらのんびりと歩いていくこと…
スイス観光の拠点となる宿を探す。次の日もその次の日も鉄道を利用するので,宿は中央駅に近いところで探す。チューリッヒ中央駅から延びる路面電車の線路沿いに歩いた。縦横に伸びた路面電車に電気を供給する電線が両サイドの建物からの蜘蛛の巣をはったよ…
スイスの首都はベルンというところにあるが,チューリッヒはスイス最大の都市といってよい。「Zurich」と綴って,英語だと「ズーリック」という発音になる。「-ch」を「ヒ」と発音するのはドイツ語の特徴で,スイス北部,ドイツに近いこの辺りはドイツ語圏で…
ブフスを出発した列車はまもなくザルガンス(Sargans)に着く。ここで降りる。ローカル線に乗り換えて10分もしないうちにマイエンフェルト(Maienfeld)という小さな町,というより村に到着する。ここがこの日の本当の目的地であった。下車する人は他になく,周…
ドイツに別れを告げてスイスのチューリヒに向かう。向かうのだがまっすぐチューリヒを目指しても面白くないので,前夜トマスクック時刻表をながめながら少し遠回りしてオーストリア経由のルートを思い立った。 オーストリアはそもそも旅程にはなかったが,こ…