建築
ビンタイ市場に近いチャータム教会は,カトリック教会である。クリーム色の聖堂の尖塔が特徴的であるが,赤い門柱と瓦屋根の門,聖堂の前のマリア像を囲う屋根,これらは何とも中国風でミスマッチである。門には「天主堂」という文字が書かれている。ここで…
パリ・コミューン広場に面して中央郵便局がある。この建物もまた大聖堂と同時期に建てられたコロニアル建築である。その門構え,内部の天井のアーチや接客窓口などはヨーロッパの駅を思わせる。奥にはホー=チ=ミンの写真(? 肖像画であったか?)が飾られ,…
ドンコイ通りをさらに北西に歩くと,その先に街路樹の隙間から赤煉瓦の建物が見えてくる。サイゴン大聖堂。フランス植民地時代に建てられたカトリックの教会である。グレアム=グリーンは『おとなしいアメリカ人』の中で,その場所を「悪趣味なピンク色の大…
御徒町~上野 本郷界隈 御徒町から東大がある本郷界隈を歩く。まずこの「御徒町」が難読である。「おかちまち」と読む。「かち」は「徒士」,「徒歩」であり,騎兵に対する歩兵,つまり下級武士の溜まり場であったことが由来である。山手線御徒町駅で降りて…
わがブログの国内編の書き出しをどこから始めようか。迷った挙句,やはり東京から始めることにした。出発は東京駅である。 東京駅 東京駅は1914年に開業。元号でいうと大正3年にあたる。2014年で100周年を迎えた。この年,世界では6月に第一次世界大戦が勃発…
ストラスブールの駅を降りると目の前に大きな広場がある。広場中央の道を真っ直ぐ進み橋をわたって大通り沿いに進めばグーテンベルク広場に出る。1450年ごろ,活版印刷術を発明したといわれるグーテンベルクが印刷物を手にした像が建っている。前にも話した…
リヨンからルピュイという町を訪ねる。「ピュイ」とはフランス語で「丘」を意味する。リヨンからルピュイまではサン=エチエンヌで乗り換えてローカル線で2時間半。降りるとその町名に納得する。むき出しの岩山が地面から突き出している。それだけではない,…
駅からの通りはやがて狭い路地へと変わり,そのまま進むと広場に出る。教皇庁宮殿前である。正面玄関であろうか,すぐ目に付くのが壁から迫り出した二本の尖塔である。まるで悪魔の角のように威圧的である。その門は建物の規模からすると低く狭く,外観は「…
オルレアンからロワール川に沿って古城を巡る。ブロワ城,シャンボール城,アンボワーズ城,シュノンソー城。一般にロワール川の古城の中で最大のみどころはフランソワ1世とレオナルド=ダ=ヴィンチの因縁があるシャンボール城であろうが,もっとも華麗な出…
サンジェルマン通りとサンミシェル通り,2つの大通り(ブルヴァール)が交差するあたり,この周辺はカルチェラタンとよばれる学生街である。「カルチェ」は地区,「ラタン」は「ラテン」を意味する。かつてヨーロッパの学問語であったラテン語が話される地区と…
主要都市の大聖堂がそうであるように,パリの大聖堂もまた「聖母マリア」に奉献されている。フランスの民衆はこれらの教会を,親しみを込めて「われらが婦人」つまり「ノートル・ダム」とよんだ。「われら」の部分が単数形になると「マ(ma)」となり,「マ・…
パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル駅 さてヴァンドーム広場より北に伸びる平和通りは,高級ジュエリーの名店が軒を並べる。目の保養をしたい人にはおすすめだが,私にとっては豚に真珠。これ以上は北に進まず,再びカスティリオーネ通りを南下してリ…
コンコルド広場の前に広がる広大な庭園はテュイルリ庭園。さてここからパリ1区に入ることになる。パリはこの1区を中心に時計回りの渦を巻いて20の区が並んでいる。1区には3つの宮殿があった。あったというのは今は2つしかないからである。ルーヴル宮殿,テュ…