サンセット・ブルバードをさらに南に,サンタモニカ・ブルバードに出る。これがかつての国道66号線のはずである。(正確にはわからない。) 私がアメリカに渡る少し前に国道としては廃線になったらしい。西はロサンゼルスから東はシカゴに至るかつてのアメリカの大動脈である。アメリカンドリームはこの道とともにあった。そのため数々の映画,小説,音楽,サブカルチャーの題材ともなった。当時に見聞きした主なものを挙げると。
小説では『怒りの葡萄』(スタインベック著),映画では『イージーライダー』(1969),『キャノンボール』(1983)。『アンタッチャブル』(1987)と『バクダッドカフェ』(1989)は大阪の映画館まで見に行った。音楽では『Take it easy』(イーグルス),『Born to be wild』(ステッペンウルフ 映画『イージーライダー』),『Callin you』 (ジェヴェッタ・スティール 映画『バグダッドカフェ』)など。
しかし何といってもナット=キング=コール版の『Route 66』は抜群にかっこいい。歌詞には途中に通る主な町を東から順に挙げている。私は最後に出てくるSan Bernardino(サン・バーナディーノ)のある家庭に数日ホームステイした。
Now you go through St.Louis
Joplin,Missouri
And Oklahoma City is mighty pretty
You'll see Amarillo, Gallup, New Mexico
Flagstaff,Arizona,
Don't forget Winona,
Kingman,Barstow,San Bernardino
サン・バーナディーノはロサンゼルスの東の郊外にあたる。そしてサンタモニカ・ブルバードを西へ,マイクロバスに揺られること約1時間。運転手は私より少し年上であっただろうか,ティムという好青年であった。ちょっとだけのルート66。見えてきたのは太平洋である。いわゆる西海岸に到着した。ルート66の終着点,サンタモニカである。鈴木英人のイラストの世界がそこにあった。
Won't you get hip to this timely tip
When you make that California trip
Get your kicks on Route 66.
(今,流行りのネタを知りたくはないか
カリフォルニアを旅したければ
突っ走れルート66)