You ain't heard nothing yet!

ある社会科講師の旅の回想録

You ain't heard nothing yet!(お楽しみはこれからだ!)

オテル・ド・ヴィル駅~メトロ1号線⑪~

 パリ市庁舎。オテル・ド・ヴィル(hotel de ville)というがホテルではない,市役所の意味である。市庁舎はルネサンス様式。ルネサンス自体が古代ギリシャ・ローマの再生にあったから,ルネサンス建築が目指すものは古代建築ということになる。これまでに発展してきた建築技術は利用しつつ,古典古代が理想と調和と比率に基づいた設計。といっても言葉で理解するのは難しいので,見た目のポイントはシンメトリー,左右対称が特徴となる。左右対称,ねっ,調和がとれているでしょ。見た目に安心感もある。パリ市庁舎も気持ちよーく左右対称。たった一つ左右対称になっていないものといえば,中央の時計ぐらいのもの。

 市庁舎前の広場はフランス革命以前,処刑場として使われていた。そのころはギロチンが使われていなかったから絞首刑が主な方法だったが,ギロチンが最初に使われたのもこの広場だった。当時,この広場はグレーヴ広場とよばれ,グレーヴとは砂浜を意味する。セーヌ川の河岸の砂浜となっていたからである。ちょうど日本の京都,鴨川の三条川原が処刑・晒し首の場として使われたのにも似ている。