「パリの空の下セーヌは流れる」というフレーズは,フランス映画(1951)からである。映画の主題歌『パリの空の下(Sour ciel de paris)』はだれもが耳にしたことがあるシャンソンの代表選手である。シャンソン界の大御所エディット=ピアフはじめ,多くのフラ…
メトロ1号線の旅,最後はパリ・リヨン駅である。リヨン駅のリヨンはフランスの地名。中部のリヨンや南部のマルセイユに向う列車が発着するためリヨン駅の名が着いた。 リヨン駅もまた旅情をかきたてられる駅の1つである。北部のドーバー海峡の町カレーでイ…
今でもあるのだろうか。メトロにはカルネという回数券があった。メトロの運賃は一律同じなので,1回乗るごとに回数券の束から一枚ちぎって使う。回数券といっても当時は切符大のブルーの厚紙だった。日本と比べるとそのクオリティの低さに唖然とした。今と…
パリ市庁舎。オテル・ド・ヴィル(hotel de ville)というがホテルではない,市役所の意味である。市庁舎はルネサンス様式。ルネサンス自体が古代ギリシャ・ローマの再生にあったから,ルネサンス建築が目指すものは古代建築ということになる。これまでに発展…
スマホを使い出して10年以上経つ。最初はIphone4であった。当初はまだ携帯の主流ではなく,もの珍しかったのもあったが,世界対応だったのが決め手であった。その二年前,どうしても海外から緊急に国際電話をかける必要があり,公衆電話やホテルの電話で難儀…
シャトレ駅は知る人ぞ知る,『サムライ』(1967)という映画のワンシーンが撮られた場所である。題名から邦画っぽい感じはするが,正々堂々フランス映画である。アラン=ドロンが一匹狼の殺し屋に扮し,パリを舞台に殺しと逃走を繰り広げるハードボイルド・ア…
パレ・ロワイヤルからルーヴル・リヴォリ駅までには,ぼやっと歩いていると見逃してしまう小径がある。「ギャルリ・ヴェド=ロダ」とよばれる,通り抜けできるのさえ不安になるその細道は,フランス語で「パサージュ」という。英語でも綴りは同じ「passage」…
パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル駅 さてヴァンドーム広場より北に伸びる平和通りは,高級ジュエリーの名店が軒を並べる。目の保養をしたい人にはおすすめだが,私にとっては豚に真珠。これ以上は北に進まず,再びカスティリオーネ通りを南下してリ…
コンコルド広場からテュイルリ庭園に入るとまず,左手(北側)にジュ・ド・ポーム,右手のセーヌ川沿い(南側)にオランジュリー美術館がある。モネの「睡蓮」を見たければオランジュリーに,現代写真に興味があればジュ・ド・ポームへと足を運ぶ。 「ジュ・ド・…
ルイ14世は即位するとまもなく,ルーヴル・テュイルリとは別の場所に居を構えている。それがパリ1区のもう1つの宮殿,パレ・ロワイヤルであった。もともと先代ルイ13世の宰相リシュリューの館であったが,リシュリューの死後王室のものとなった。(「パレ」は…